話題のKAIZEN JOURNEYを読みましたが、評判通り素晴らしい内容でした!
翔泳社
技術書に泣かされるとは思わなかった
この本はストーリー仕立てで、そこで取り上げた価値や原則、プラクティスの解説という構成になっています。
まずストーリーが読み物として純粋に面白く、最初独りぼっちだった主人公が困難を乗り越え成長し最後は仲間に囲まれていくのはさながらRPGのようで、柄にもなく涙が出そうでした。
ここまで入り込んだのは、登場人物や発生する問題が自分の過去の体験と重なることが多くストーリーのリアルさ故ではと思いました。
日本の開発現場にマッチしている
- 実際の現場でどう適用すれば良いんだろう?
- そんなカイゼンしやすい現場ないでしょ
- 日本の現場には向かないような
この手の本は上記みたいなことも多いのですが、この本では受託開発の現場が描かれていたりストーリーがリアルで、自分の現場に適用するイメージがつきやすいと思いました。
個人的に刺さったところをメモしていきます。
はじめの一歩
自分から、小さく始めてみることが大事。
他の人の真似をしてもダメで、自分の状況に当てはめて考えよう。
そして仕事のカイゼンで最初にやるべきは、まず状態の見える化。
見える化の4つのプラクティス
- タスクマネジメント
- タスクボード
- 朝会
- ふりかえり
この4つは自分たちもやっているが、うまく出来てないと、日頃感じていることも触れられていました。
- ふりかえりの周期が長すぎるのはダメ
- 「ふりかえり」の「ふりかえり」も必要
- 1つのタスクがなかなか終わらない問題は、タスクを細分化していないせい。「分割して統治」を実践しよう。
Whyからはじめよ
この意識がないと、ただ聞きかじったプラティスをなぞるだけの人になってしまいます。
自分たちが抱えている問題に対して、まずWhyありきでHowという順にしないと、と常日頃感じていたのですごく共感しました。
越境するために
越境したいときに些細なことは巻き取る覚悟の方が進みやすいというようなことが書かれていました。
いわゆる「ルーズボールを誰が拾うか問題」。頑張って拾っていこう。
CCPMとパーキンソンの法則
CCPM(Critical Chain Project Management)というのを初めて知りました。
1つ1つのタスクにバッファを儲けても食いつぶしてしまうだけなので、五分五分の期間でスケジュールを引きバッファはまとめて取っておくというもの。
これは自分も実践していることでした。小並感ですがお墨付きを貰ったみたいで嬉しかった。
おわりに
他にもたくさんのプラクティスが紹介されています。 ひとつひとつWhyを考えて、有益そうなものは現場に取り入れていこう。
- YWT(やったこと、わかったこと、次やること)
- 素朴理論と建設的相互作用
- インセプションデッキ
- ゴールデンサークル
- 成功の循環モデル
- Working Agreement
- ドラッガー風エクササイズ
- ファイブフィンガー
- クネビンフレームワーク
- 狩野モデル
- むきなおり
- スキルマップ
- モブプログラミング
- TWI(Training Within Industry)
- バリューストリームマッピング
- ECRS(Eliminate/Combine/Rearrange/Simplify)
- ポストモーテム
- タックマンモデル
- ギャレットの5段階
- SL理論
- ハンガーフライト
それでは、それぞれの持ち場で頑張りましょう。